先日、「2017ファイテンの集い」というイベントで、シンクロナイズドスイミング日本代表井村コーチの講演を拝聴してきました。
タイトルは「人を育てる」。
リオデジャネイロオリンピックでの裏話から始まり、
10年ぶりに日本チームに復帰した井村コーチと、10年ですっかりハングリー精神がなくってしまった現代の若者の選手達との「分かり合えない」という葛藤、
そして苦しい練習に耐え抜いて少しずつ変わっていった選手達とようやく分かり合えてメダルを獲得出来たという秘話は、1時間という時間が短く感じるほど素晴らしく本当に感動しました。
お話のあとにリオデジャネイロオリンピックでの日本選手の演技を見たのですが、感動で思わず涙が出てしまいました。
井村コーチは確かに非常に厳しい方で選手の方達は大変だったかと思いますが、それは「選手達の首にメダルをかけさせてあげたい」という熱い情熱ゆえ。
一生懸命に導いてくれる井村コーチの元で指導を受けることが出来た選手達は、オリンピックでメダルを獲れて夢を叶えだたけでなく、素晴らしい師に出会えて、人生においてもとても幸せな方達だとしみじみ思いました。
私は井村コーチのように、魂を込めて真剣に叱ってくれる人にまだ出会えていないので、選手の方達が羨ましくなりました。
シンクロナイズドスイミングの日本代表チームは、ファイテンからトレーナーを派遣してもらって選手達のボディケアのサポートをしてもらっています。
1日13時間の過酷な練習で選手達が1人も故障者がなくオリンピックに出場出来たのはファイテンのサポートのお陰だったそう。
今回は、井村コーチがファイテンに依頼して開発された水の中でも落ちないテーピング効果のクリーム「メタックス EXクリーム」、
一日中立ち泳ぎして酷使した選手達の足をケアした「ソラーチ」という足マッサージについての井村コーチのコメント、
長く低迷していたマーメイドジャパンがたった1年数ヶ月でオリンピックで銅メダルを獲得出来た裏話を紹介します。
ファイテンファンの集い
井村コーチの講演は「ファイテンファンの集い」で行われました。
当日は、会場でしか買えない限定品などが販売されていて、買い求めるお客さんで大盛況でした。
人がいっぱいで売り場に近付けないほど。(笑)
大人気だった会場限定品:RAKUWAバンドメタックス
特に大人気で一人が何個も購入していたのがRAKUWAバンドメタックス。
RAKUWAバンドという、腱鞘炎などの手足のサポートにすごくいいと大人気の商品があるのですが、
その会場限定品です。
裏面に最高レベルのメタックス技術が採用されているそうで、
私も試しに着けさせてもらいましたが、このバンドを着けると重い荷物も楽に持ち上げられてびっくり!
荷物が重い時はバッグの持ち手にこのバンドを巻くと重さが楽になるんですって。
井村コーチが絶賛するファイテン「ソラーチ」と「メタックス EXクリーム」
冒頭でもお伝えしましたが、ファイテンはシンクロナイズドスイミング日本代表チームに「ボディケア」を提供してサポートしています。
ファイテンの平田社長、井村コーチ、選手達に付きっ切りでサポートしたファイテン専属トレーナー杉田さんの対談がありました。
企業のお金のサポートは現場にはなかなか届かない
私どものボディケアに価値を感じて頂いてとても嬉しかったです。
これまで企業がサポートする場合は、お金か同等の価値のあるものを提供されていたとのことですが、私どものボディケアがお金と同等の価値と認めて頂いて企業として誇りと自信になりました。
日本の企業は現場の選手やコーチが頑張れるようにスポンサーになって下さいますが、お金を支給されても現場にはなかなか届きません。
ファイテンは、「本当に現場が欲しいものは何か」ということでトレーナーの杉田さんを派遣して下さいました。
私達現場のニーズに直結したものをサポートして下さって、ファイテンは「新しいスポンサーのあり方」として、スポーツ界に一石を投じたと思っています。
1人の故障者もなくオリンピックに出場出来たのはファイテンのサポートのおかげ
1人の故障者もなくオリンピックを乗り越えることが出来たのは、杉田さんが選手達の疲れを蓄積させることなくその日のうちに回復させてくれたからだと思います。
杉田さんは、私達の練習の間はプールサイドでずっと選手を見ていて、練習が終わってから選手達のマッサージをして下さっていたので、寝るのは毎日2時や3時でした。
翌朝も8時前から選手のストレッチから付き合ってくれたので、かなり大変だったかと思います。
有難うございました。
選手達の体は、コーチの話を聞く時もずっと立ち泳ぎしているので全身の疲労がすごいです。
1日のトレーニングの疲労が溜まった体をメタックスクリームとメタックスローションで全身をケアしました。
そうすると選手達はとてもリラックスできるみたいで、ウトウトしたり世間話をしたりとくつろいでもらいながらケアを受けてもらっていました。
ボディケアの間は、とにかく選手達が心穏やかに過ごせるように心がけていました。
故障がないのが一番なんです。
「故障があるのは厳しい練習をやった勲章」という人がいますが、私はコーチの恥だと思います。
選手の状態を見抜けなかった、出来上がっていなかったのに過度な練習をさせてしまったというのは、コーチの恥です。
井村コーチの依頼で開発された「メタックスEXクリーム」
ファイテンには「メタックス」というマッサージローションがありますが、「水溶性」なんです。
塗って長時間泳げば水の中で流れていってしまいます。
「水の中に入っても流れないものはないですか?」
という井村先生の「半分命令」というようなご意見から(笑)、水の中でも落ちない撥水タイプの「メタックスEXクリーム」が出来ました。
シンクロと言うのは美しさを競う競技なので、見栄えが大事なんです。
テープを貼っても構いませんが、見た目に良くないので意地でも絶対貼りません。
「試合の時に水の中でもテーピングと同じだけの効果のあるクリームはないでしょうか?」
とお願いしたんですね。
シンクロではリフトで持ち上げる選手は肩を踏まれ続けられますから、肩に塗って試合に出たりしています。
テープを貼れない競技って他にも沢山あると思うんですね。
競泳もそうですし、見た目に貼りたくない、でも効果があってサポート出来るものが欲しいという沢山の人に利用してもらう価値があると思います。
スポーツ選手だけでなく、普通の人、例えば女性はテープを貼りまくって歩くのはイヤですよね。
塗っているだけで膝の痛みも違いますし、見た目も元気そうに見えます。
「元気そうに見える」というのは非常に大事ですから、色々な場面で活用できると思います。
「メタックスEXクリーム」は全アスリートに喜んで頂いていまして、野球関係の方にも結構使ってもらっています。
足マッサージ器「ソラーチ」で選手の足が変わった!
ソラーチと出会ってから、選手達には毎日のように使わせています。
足の甲には沢山の骨があって、ソラーチは足の甲の骨をマッサージする機器なのですが、足の甲が柔らかくなると足先が鳥のくちばしのようにしなってとってもキレイになるんです。
足の疲労が多い人は、足の甲にある沢山の骨の稼動域の動きが悪いんですね。
ソラーチはとても痛いですが、使うことによって足先の曲がらなかった選手も曲がるようになるので、ものすごく愛用しています。
昼食を食べる時や自分達の演技を見る時など、暇があったらソラーチで足マッサージさせています。
ソラーチで足先がしなるようになると、水の蹴り方が全然違います。
大感動の井村コーチの講演
井村雅代コーチは皆さんご存知かと思いますが、改めて経歴を拝見するとすごい方なんですね!!
日本代表コーチとして、6大会連続オリンピックメダル獲得を成し遂げる
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北京五輪では中国代表コーチを務めて中国シンクロ初のメダル獲得に導く
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ロンドン五輪では中国初となるデュエットメダル獲得
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たった2ヶ月でイギリスを世界選手権で好成績を収めさせる
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2014年から日本代表コーチに復帰し、長年低迷していた日本チームを1年数ヶ月でリオ五輪ではデュエットが2大会ぶり、チームでは3大会ぶりのメダルをもたらす。
自身としてはリオで「9大会連続連続オリンピックメダル獲得」を成し遂げる。
今回の講演では、「人を育てる」という内容でお話をして下さいましたが、
井村コーチのお話は、とっても分かりやすくて耳に入って来て、一つ一つの言葉に説得力があるんですね。
さすが、長年ナショナルチームを導いてきただけあって話術が素晴らしいなと思いました。
リオオリンピックでは、選手達は非常に大変な思いをしたそうで、井村コーチがお話された裏話を一部ご紹介します。
劣悪な環境だったリオデジャネイロのオリンピック
昨年のリオデジャネイロのオリンピック選手村は、豊かで清潔な恵まれた環境で生活している日本人選手にとっては、ストレスの溜まる衛生的でない劣悪な環境だったそう。
トイレが詰まる、シャワーが水になるのは当たり前、隣の建物では配管が破裂して上の階から地下まで滝のように階段から大量の水が流れていたこともありました。
食堂の食事もひどく、サラダの葉物が茶色い、バナナも真っ黒で、品質管理が何事において良くなかったのだとか。
この環境は私達だけではない、この環境から誰かが金メダルを獲るのだから耐えなさい
と選手達の士気が落ちないように励ましたそう。
プールの水が腐った
一番ひどかったのは、試合会場のプールは水が腐り微生物が発生して泡が出て、悪臭まで発生するという不衛生な環境だったのだそう。
シンクロナイズドスイミングは壁を見ながら演技をするので、水の透明度は非常に重要なのですが、コケまで生えて視界が利かなくなってしまいました。
このままでは微生物が発生した水を選手が飲んで腸炎などの病気を発症しかねないということで、組織委員会は試合前日の午後になって急遽水を入れ替えたほど。
穴の開いたホースで水を入れ直していたので、水はなかなか溜まらず、あやうく試合時間までに間に合わないかもというところでした。
そのため試合前にたった1回しか練習が出来ず、隣にあった小さなプールが出場選手約100名のウォーミングアップの場所となり、各国の選手でごったがえし芋洗いの状態だったそう。
この環境は日本の選手だけではない、この環境から金メダリストは生まれるの
と、ここでも選手達に言い続けたのだとか。
劣悪の環境の中でも徹底的に仕上げてきたチームは崩れなかった
そんなひどい環境でも、徹底的に仕上げてきたチームは崩れませんでした。
一番崩れなかったのは、やはり金メダルを獲ったロシア、2番目は日本、
「自分達の体調が良くていい演技が出来たらメダルを獲れる」という気持ちで臨んでいるチームはみんなつぶれていきました。
感動した「心に刻んでおきたい言葉」
井村コーチの数々の言葉は、昇進の機会を逃し、日々の生活でお疲れ気味な私の心に何度も響きました。
毎日少しずつでも頑張れば必ずあとから結果はついてくる、また元気出して頑張ろうと思えました。
私が感動を受けた言葉のいくつかをお伝えしますね。
文句を言っている間は余力がある
よく文句を言う人がいます。
「文句を言っている間は力が有り余っている」と思って下さい。
本当に苦しくなったら人はどうするかと言うと、黙ります。
文句を言っても何の解決にもなりません。
会社や人のことばかりブツブツ言っている人を見た時、文句ばかり言っている自分に気がついた時、「自分(相手)にはまだ力が余っている」と思って下さい。
それは本当です。
本当に苦しくなったら、人は黙ってその現状を受け入れてどうやって解決していこうかと思うんです。
リオオリンピックの時の私はそうでした。
ともかくこの環境の中で選手に力を発揮してもらうには、文句を言っても何の解決にならないので、文句なんて言いませんでした。
ひどい状況で「こんなオリンピックない」と言ってしまったら終わり。
「これがリオオリンピックだ」と認めることなんです。
現状を認めることが大事です。
限界はどこにあるの?指さしてごらん
10年ぶりに日本チームに戻ってきた井村コーチを困惑させたのが、いわゆる「いい子」でハングリー精神のない「典型的な今の若者」の選手達とのコミュニケーション。
言葉の真意が伝わらず、母国で教えているのに、そこは「外国よりも外国」だったのだとか。
長い低迷から抜け出せずメダルから遠ざかっていた当時のシンクロチームは、泳ぎも遅く、技術も未熟。
そんな選手達にメダルを獲らせてあげる唯一の方法は「練習」しかありませんでした。
1日13時間の過酷な練習、休みも8~10日に1日だけでした。
よく選手は「限界です」と言っていましたが、
「限界はどこにあるの?指さしてごらん」
と言ったら、選手は言葉に詰まっていました。
実は限界ってないんです。
限界だと自分で決めているだけなんです。
「1ミリの努力」とは
昔は「苦労が人を大きくする」と言われていましたが、今の若者は苦労だけでは大きくならず、むしろめげてしまうのだとか。
今の若者に何が必要かというと、苦労ではなく、「日々の成功体験」。
小さな成功体験の積み重ねが選手を大きくしたのだそう。
井村コーチは、毎日選手達を進化させてあげられるように、「昨日よりも良くなっている」という体感を持たすように心がけていたのだとか。
その秘訣は「1ミリの努力」という目標の設定の仕方でした。
「1ミリの努力」とは何かと言うと、どんな目標をどのように目標を設定するかという話なんです。
今日垂直飛びを40センチ飛べたとします。
この40センチを飛べた人に「3ヵ月後に50センチ飛びなさい」と目標を設定してあげるんです。
ですが、垂直飛びで10センチ高く飛ぶのは大変なことです。
でも、40センチ飛べた人に「明日40センチと1ミリ飛びなさい」と目標を設定してあげるんです。
それなら明日飛べそうな気がしますよね。
明日40センチと1ミリ飛べたら目標達成です。
達成感と喜びが生まれます。
その時にもう1ミリ飛ぶように目標を設定してあげるんです。
今日40センチ飛べた人は3ヵ月と10日後には50センチ飛べるようになっているというわけです。
大きな目標は持つ必要がありますが、もう1つ大切なのは「小さな日々の目標」を持つことなんです。
日々の目標は「叶えられる目標」を持つこと。
その話を選手にしたところ、
「今日は1ミリだけ進化すればいいんだ」
「それだったら私は出来る」
と言いました。
日々の練習の中で「今日はともかくこれだけ出来た」という成果を持たしてあげようと常に思っています。
こちらの井村コーチの著書に「1ミリの努力」について詳しく書かれています。
オリンピックに魔物はいない
よくオリンピックに魔物がいるという方がいます。
でも、オリンピックには魔物もいませんし、奇跡も起こりません。
メダルに届くまで徹底的な努力をしてきた選手がメダリストになっているんです。
勝つべき人がちゃんと勝っています。
だから、私は選手達を本当に強くするために、徹底的に追い込みました。
「仕方ない」と思ったら終わり
日本の選手と世界の選手を較べると、「選手が非常に小柄」という欠点がありました。
メダル争いをしたロシア、中国、ウクライナの選手はみんな170~180センチありました。
日本は161センチの選手が2人もいて、一番大きい177センチとの選手には16センチもの差がありました。
でも、私は「仕方ない」とは絶対思いませんでした。
少しでも足の長さが違うのをカモフラージュ出来ないか、何か方法はあるはずと考えました。
ブラジルの強い日差しの中で小柄な選手達でも存在感があって輝いて見えるような色鮮やかな水着で、
鮮やかな色がまず目に飛び込んできて肌色の足には目が行かないような色とデザインにしました。
選手達にも水中から足を出す時にはなるべく水着を見せるようにお尻まで上げさせました。
失望したりやけになったりせず正しいことをし続けなさい
選手に話したことが何度もあります。
『素晴らしい演技が出来ても、いい点数がもらえないことがあるかもしれない。
でも絶対にやってはいけないことは「失望したりやけになったりすること」。
そんな時でも正しいことをしなさい。
点数は低いかもしれない、でも「日本の演技って上手だったよね」って誰かが見ていてくれているから。
そのあともいい演技を続ければ、「ほら、日本ってやっぱり上手じゃないの、もっといい点数を上げてあげるべきだよ」
と、周りが認め出してくれて必ず風が変わってくるから。
いくら納得がいかなくても失望せずに正しいことをやり続けなさい。』
と言い続けました。
シンクロナイズドスイミング日本チームのリオオリンピックフリー演技動画
井村コーチのお話のあとで、リオでの演技と銅メダルが確定した時の彼女達の涙の様子を動画で見たのですが、
選手達が想像を絶する練習に耐えて頑張ってきたと知り、映像を見ていたら思わず泣けてしまいました。
会場は感動に包まれ、観客の割れんばかりの拍手で講演が終わりました。
まとめ
今回、井村コーチの素晴らしいお話を伺う機会に恵まれ、本当にラッキーでした。
もし、井村コーチの講演会がありましたら、是非行ってみて下さい!
井村コーチは、先日東京オリンピックまで代表コーチに任命されたそうで、東京オリンピックではどんなマーメイドジャパンの演技を見せてくれるか、楽しみですね!
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